AndroidとiPhoneのApple Payで「PASMO」の「モバイルPASMO」を利用できます。
iPhone、Androidのスマートフォン端末、Apple Watch、その他スマートウォッチで使用可能です。
「Suica」の「モバイルSuica」と似た仕組みで、FeliCa(フェリカ)搭載のAndroidの「おサイフケータイ」、iPhoneで「モバイルPASMO」を使えます。
PASMO圏内の私鉄・東京メトロ・都営地下鉄に普段乗っている方なら、PASMO定期券をモバイル端末で便利に利用可能です。
モバイルPASMOのメリット・デメリット、注意点、おすすめのクレジットカードについて、まとめて解説します。
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モバイルPASMOのメリット・特徴
モバイルPASMOは、カードタイプのPASMOにはないメリットがあり、モバイルSuicaと同様に便利に使用可能です。
モバイルPASMOアプリで新規発行する場合は「無記名PASMO」「記名PASMO」を選べ、定期券も搭載できます。
デポジット500円が不要
カードタイプのPASMOだと、PASMO一体型のクレジットカードではない限り、発行時にデポジット(預り金)500円が必要です。
解約すれば返金されるものの、PASMOを作成した以上は、継続して利用するケースがほとんどでしょうから、実質500円の発行手数料を支払ったのと同じ感覚になります。
その点、モバイルPASMOだとデポジットが一切不要なのがメリットです。
Apple PayのPASMOにカードタイプのPASMOを設定すると、500円のデポジット額がSF残高としてチャージされます。
ちなみに、PASMOオートチャージを設定したPASMOを取り込んだケースでは、新規で申し込む必要はなく、そのままオートチャージ設定を使用可能です。
PASMO定期券を使える
モバイルPASMOの2つ目のメリットは、カード型のPASMOと一緒でPASMO定期券を利用可能なこと。
モバイルSuicaの場合、定期券を利用するには、通勤・通学の区間にJR東日本の路線がある必要があります。
基本的に乗車駅か降車駅がJR東日本である必要があり、少なくとも一度は乗車する必要があります。
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● モバイルSuicaの使い方、年会費、チャージ、特急券、定期券、新幹線など網羅亭に解説
したがって、首都圏の私鉄・地下鉄沿線で通勤・通学している人は「モバイルSuica」や「Apple PayのSuica」で定期券が使えないのがデメリットです。
その点、モバイルPASMOでは、スマホなどの端末でPASMO定期券を便利に利用できます。
通学定期券を購入する場合、申請フォームへの入力、申込書・通学証明書・学生証などのコピー郵送が必要です。
定期券を発売している事業者は、「定期券発売事業者一覧(鉄道)」と「定期券発売事業者一覧(バス)」を見れる、PASMO公式サイトの「定期券発売事業者で購入可能な定期の種類」のページで最新状況をチェック可能です。
モバイルPASMOはいつでも便利にチャージ可能
カード型PASMOは、東急の一部駅の機械を除けば、クレジットカード決済ではオートチャージしかできず、任意のタイミングでのチャージは現金のみしかできません。
この点、モバイルPASMOなら、モバイルSuicaのように、インターネットに接続さえされていれば、スマホなどの対象端末でいつでも・どこでも便利にチャージできます。
これができる大きなメリットとして、中・長距離のタクシーの利用や、駅ナカなど加盟店でのお買い物など、多額の支払いをモバイルPASMOでした場合、すぐその場で残高を補填できること。
モバイルPASMOは、国内での旅行や出張時にも活躍します。
電車やタクシーで、多額な支出があったり、飲食店やショッピングで、まとまった支払いがあった場合は、PASMO残高が不足することもあるでしょう。
万が一、旅行や出張中にPASMO残高が不足した場合、カード型PASMOだとクレジットカードでのチャージは不可能です。
そんな時に「モバイルPASMO」を使えば、ネット環境さえあれば、すぐにチャージできるので頼もしい相棒になります!
モバイルPASMOの残高上限額は2万円です。
チャージ可能な範囲は500円~1万円で、1,000円以降は1,000円単位となります。
また、Suicaと同じくPASMOは改札に入場する時だけでなく、出場するタイミングでもオートチャージが始動するようになり、ますます便利になっています!
モバイルPASMOアプリでは、いつでも残高や利用履歴を見れるので、カードタイプのPASMOと比べて利便性は段違いです。
クレジットカード利用でポイントが貯まる
モバイルPASMOは、Visa、Mastercard、JCB、アメックスの国際ブランドのクレジットカードを使えます。
ダイナースクラブは未対応です。
前提として、本人認証サービス(3Dセキュア)に対応していなければならないため「アコムACマスターカード」「Kyash」は使用できません。
モバイルPASMOのチャージでポイントが貯まるかどうかは、クレジットカードによって異なります。
カード名 | 還元率 | PASMO |
To Me CARD Prime PASMO | 0.5%〜0.6% | 一体型 定期券 |
ANA To Me CARD PASMO JCB | 0.5%〜1.06% ※ANAマイル |
一体型 定期券 |
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO | 1.0% | 一体型 定期券 |
ANA TOKYU POINT ClubQ PASMOマスターカード | 0.5%〜1.48% ※ANAマイル |
一体型 定期券 |
JALカード TOKYU POINT ClubQ | 0.5% ※TOKYU POINT |
別カード |
OPクレジットカード | 0.5% | 別カード |
JALカード OPクレジット | 0.5%〜1% ※JALマイル |
別カード |
京王パスポートPASMOカード VISA | 0.5% | 一体型 定期券 |
京王パスポートVISAカード | 0.5% | 別カード |
京急プレミア ポイント シルバー | 0.5% | 別カード |
京急プレミア ポイント ゴールド | 0.5% | 別カード |
SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン | 0.5% | 別カード |
京成カード(オリコ) | 0.5% / 1% | 別カード |
相鉄カード | 0.5% | 別カード |
東武カード | 0.5% | 別カード |
東京スカイツリー 東武カードPASMO | 0.5% | 一体型 定期券 |
Pastownカード | 0.5% | 別カード |
パスタウンPASMOカード(VISA) | 0.5% | 一体型 |
ちなみに、現金のみですが、JR東日本のチャージ専用端末でもモバイルPASMOにチャージ可能です。
スマートEXで新幹線に乗れる
SuicaやPASMOなど全国相互利用対象の10種類の交通系ICカードで東海道・山陽新幹線(東京〜博多間)に乗れる「スマートEX」というサービスがあります。
モバイルSuicaやモバイルPASMO等も交通系ICカードとして利用可能です。
新幹線の運賃は、クレジットカード払いとなります。
国際ブランドは、VISA、Mastercard、JCB、アメックス、ダイナースクラブに対応しています。
年会費は無料で、スマホやパソコンで簡単に予約可能です。
が、ただし、料金面でのエクスプレス予約と比較すると運賃割引が見劣りするのが玉にキズ。
特定都区市内制度の適用もありません。
管理がラクで、紛失リスクも低下
モバイルPASMOならスマホ一つでオッケーなので、カードタイプと違い管理がラクで、かつ紛失リスクも減少する点もメリットといっていいでしょう。
カード型だと荷物が1つ増えますね。
オンとオフで違うカバンを使っている方は、持っていくのを忘れないように気をつける必要があります。
スマートフォンは多くの現代人にとって、もはや必要不可欠なものですし、少なくともカードに比べれば、どこにあるかわからなくなる事態は少なくなるでしょう。
万が一、スマホがパッと見つからなくても、たとえばiPhoneなら「iPhoneを探す」機能などで探したり、家族・友人・知人などに着信をかけてもらえば、すぐさま見つかったりすることが多いです。
(前者はMacBookなど他のApple製品を保有していて、あらかじめiPhoneを探す設定をしている前提。後者はマナーモードなら使えないですが・・・)
したがって、モバイルPASMOならカード型PASMOと比較して、万が一、置き場所を忘れたり、紛失しても、すぐに見つかったり、探す手間も少なくなります。
東京メトロ乗車ポイントも貯められる
PASMOを活用する上で押さえておきたいメリットは、PASMOが搭載されている「To Me CARD」で東京メトロに乗車すると「メトロポイント」がもれなく貯まること。
はじめの1回だけ設定してしまえば、それ以降はジャラジャラとポイントが貯まっていきますので、日頃から東京メトロに乗車している方なら大きなメリットがあります。
モバイルPASMOを使うなら「To Me CARD」と連携させればメトロポイントが付与されるようになります。
東京メトロに乗車すると貯まる具体的な乗車ポイントの貯まり方は「メトロポイントPlusとは?」のページで確認可能です。
「メトロポイントPlus」に「モバイルPASMO」の情報を登録すればOK。
モバイルPASMOアプリ(iPhone / Android)の画面中央のカード画像、をタップすると「PASMO ID番号」を確認できます。
あとは、「To Me CARD会員サイト」にログインして「メトロポイントPlus」画面でPASMO ID番号を入力すれば手続完了です。
詳細は公式サイトの「メトロポイントPlusのお申し込み・設定変更」をご覧ください。
Apple PayのPASMOとSuicaは併用OK
iPhone8以降(iOS14.0以降がインストール済み)、Apple Watch Series 3以降(watchOS7.0以降がインストール済み)の端末なら、基本的に「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」をどちらも併用して利用可能です。
そのため下記のような使い分けもできます。
ザックリ言うなら、JR東日本乗車時は「モバイルSuica」を、東京メトロ乗車時は「モバイルPASMO」を使って改札を通る使い分けがおすすめです。
● JRE POINTを貯める・使う
● ビューカードでのSuicaオートチャージ利用
● Suicaグリーン券の購入
● エクスプレス予約(東海道・山陽新幹線)の利用
● メトロポイントなど独自ポイントを貯める・使う
● 対象クレジットカードでPASMOオートチャージの利用
● JR東日本区間を含まない区間・経路の定期券の利用(PASMO発売範囲内)
● バス定期券のアプリ購入(PASMO発売範囲内)
●「バス特」情報のアプリ閲覧
モバイルPASMOのデメリット・注意点
メリットも多いモバイルPASMOですが、無論、万能とは言えません。
どの端末でも使えるわけではない
Androidスマートフォンで購入時にAndroid6.0以上がインストールされており、最新版の「おサイフケータイ」アプリがインストールされている端末でのサービスとなります。
Android OSのβ版では使えない場合があります。
新たに購入する場合は、以下よりモバイルPASMOの対象機種であることを確認しましょう。
一方、iPhoneなら「iOS14.0がインストールされた8以降のiPhone」、Apple Watch Seriesなら「watchOS7.0がインストールされた3以降のApple Watch Series」がモバイルPASMOの対応機種となります。
また、Face ID, Touch ID、およびパスコードが設定されている端末に限ります。
モバイルPASMOとモバイルSuicaを併用できない端末あり
モバイルPASMOとモバイルSuicaを一つの端末で利用する場合は、かざした際に優先的に使われる「メインカード」の設定が必要です。
が、しかし、交通系ICカードの技術的な課題で、同じFeliCaチップ内にSuicaとPASMOを同時利用できな端末も存在します。
1つのスマートフォンや時計で、モバイルPASMOとモバイルSuicaの両方を使うことが2021年7月現在は技術的に不可能な端末が一部あります。
併用の可否は次の3ケースに分かれます。
● ケース2:モバイルSuica・モバイルPASMOどちらか1枚のみ発行可能
● ケース3:モバイルSuicaのみ発行可能
たとえば、2つ目のケースで、すでにモバイルSuicaを使っているスマホがある場合、退会してモバイルSuicaアプリをアンインストールする必要があります。
また、仮に「エクスプレス予約」や「スマートEX」、「新幹線eチケットサービス」などをモバイルSuicaで利用中の場合、PASMO定期券と、そちらのどちらか片方を選択しなければなりません。
カード型PASMOから移行時の注意点
「Apple PayのSuica」と違って、AndroidのモバイルPASMOはカード型PASMOの残高・定期券などの情報移行において制限がある点に注意です。
記名PASMOやPASMO定期券をモバイルPASMOへ移行できるのは、モバイルPASMOアプリの使用開始時だけとなっています。
すでにモバイルPASMOを使用中の場合、退会後に移行手続きをしなければなりません。
モバイルPASMOおよびApple PayのPASMOの退会時には返金手数料210円かかります。
また、切り替え操作をした当日に利用できるのは定期券のみです。
定期券以外のサービスは、翌朝5時以降にモバイルPASMOアプリにログインし、SF(電子マネー)の受取操作をすることで使えるようになります。
あと、すでにPASMOカード・定期券を使用中の人が、AndroidのモバイルPASMOに移行した際、デポジット500円は残高に加算されません。
500円は、SF(電子マネー)受取り操作後に、PASMO取扱事業者の駅やバス窓口で、PASMOカードと引き換えに返金をうけることになります。
なお、Apple PayのモバイルPASMOの場合、Apple PayのSuicaと一緒で500円は残高に加算されます。
記名PASMOやPASMO定期券をモバイルPASMOに移行する際の詳細は以下のページでご確認ください。
会員登録しないと便利機能を使えない
モバイルPASMOは、会員登録しなくても一応つかえます。
が、しかし、会員登録しないと、便利なクレジットカードのチャージ、オートチャージなどを活用できません。
これはモバイルSuicaと一緒ですね。
PASMOオートチャージは一部クレジットカードのみ対応
モバイルPASMOは、カードタイプのPASMOと同様にオートチャージ可能です。
ただ、PASMOオートチャージは一部のクレジットカードだけがサービス対象となっています。
● To Me CARD PASMO ゴールド
● ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカ一般カード)
● ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD(ソラチカゴールドカード)
● OPクレジット(小田急ポイントカード)
● JALカード OPクレジット
● 東京スカイツリー 東武カードPASMO
● 京王パスポートPASMOカード VISA
● TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO
● PastownカードJCB(株式会社ジェーシービー)
● パスタウンPASMOカード(三井住友カード)
● パスタウンPASMOカード(三菱UFJニコス)
etc.
一部のクレジットカードはPASMOの手動チャージがポイント付与の対象外である点は気をつけてください。
たとえば「OPカードのJCBブランド」「JALカード OPクレジット」は、モバイルPASMOの手動チャージでは、ポイント・マイルが貯まりません。
オートチャージならポイント・マイルの付与対象です。
ダイナースクラブカードはモバイルPASMO非対応
モバイルPASMOは、クレジットカードのダイナースクラブに未対応なので、チャージ不可能です。
<関連記事>
● ダイナースクラブカード全種類の違いを比較まとめ最新
まとめ
PASMO(パスモ)は、株式会社パスモが発行し、関東地方・山梨県・静岡県の鉄道27事業者・バス78事業者(2021年3月時点)が発売する、電子マネー機能を備えたICカード乗車券です。
2020年3月18日に便利な「モバイルPASMO」がリリースされたことにより、おサイフケータイのAndroidスマホ、Apple Pay搭載iPhone、Apple Watchで使えるようになりました。
交通系電子マネーの「Suica」と競合関係にあるPASMOでもモバイル対応が進み、スマホなどの対応端末による、便利なキャッシュレス決済が可能となっています。
モバイルPASMOのメリットとデメリットは次のとおりです。
● デポジット500円が不要
● ネット環境があれば端末一つで、いつでもチャージ可能
● クレジットカードでポイントorマイルも貯まる
● 東京メトロ乗車ポイントなど独自ポイントも貯まる
● PASMO定期券に対応
● バス定期券も購入可能
● スマートEXで東海道・山陽新幹線(東京〜博多間)に乗れる
● 紛失時の再発行が楽にできる
etc.
● Androidは「おサイフケータイ」搭載の対応端末が必須
● 会員登録しないとオートチャージなど便利機能が使えない
● オートチャージは一部クレジットカードで対応
● ダイナースクラブカードは非対応
● 手動チャージはポイント付与対象外のクレカあり
● モバイルSuicaと併用できない端末も
● カード型PASMOからの移行に一部制約あり
etc.
そもそも論として「おサイフケータイ」は、スマホをポケットに入れる派の方なら純粋にメッチャ便利です。
サッと出してすぐさま使えるので。
モバイルSuicaは、モバイルPASMOと比べて歴史があるだけに「エクスプレス予約」「スマートEX」「新幹線eチケットサービス」などありとあらゆるサービスに対応しており、便利かつお得に新幹線にも乗れます。
モバイルSuicaなら、JR東日本の乗車時に2%のJRE POINT得られ、快適さだけでなく運賃の面でもお得を享受可能です。
モバイルPASMOでも「エクスプレス予約」「スマートEX」を利用できます。
「To Me CARD」「ソラチカ一般カード」「ソラチカゴールドカード」などを活用すれば「メトロポイントPlus」により乗車ポイントが貯まる点が大きなメリットです。
ただし、モバイルPASMOを使うには、Android6.0以上がインストールされているFeliCa搭載のAndroidスマホやスマートウォッチ、
iPhone8以降(iOS14.0以降がインストール済み)、Apple Watch Series 3以降(watchOS7.0以降がインストール済み)の、いずれかが必要です。
しかし、くれぐれも端末は紛失しないように注意しましょう。
紛失時のデメリットを踏まえて、あえて交通系電子マネーのモバイル決済ではなく、物理型の「Suica」や「PASMO」を選んだ方も多いのではないでしょうか。
モバイル決済でもカードタイプでも、いずれにしても電子マネーのチャージ・オートチャージ、定期券の購入などはクレジットカードとの併用がお得で便利です。
付与率0.5%~1.5%ほどのポイントやマイルを貯められますので。
会社勤めの方は、定期券代が会社が負担してくれるケースがほとんどでしょうから、貯まったポイントは丸々お得です!
仮に年間の定期代が10万円だとすると付与率0.5%~1.5%と考えた時、500円~1,500円のお得を取れます。
VISA、Mastercard、JCB・アメックス、ダイナースクラブの国際ブランドのクレジットカードなら、JR東日本にある「みどりの窓口」や「定期券の販売機」で購入可能です。
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