交通系電子マネー「PASMO(パスモ)」は、対象のクレジットカードによりオートチャージできます。
オートチャージの便利さはもちろん、ポイントやマイルも同時に貯まるので利便性とお得を両立しています。
現金チャージだと手間ですし、得する要素も基本的に皆無ですので。
当記事では、モバイルPASMOではない方の「通常のPASMO」のオートチャージでお得にポイントが貯まるおすすめのクレジットカードをメインにまとめます。
【もくじ】
PASMOチャージとクレジットカードの関係
PASMO(パスモ)は、東京メトロ、東京都交通局をはじめ、その他関東の私鉄などが運営している交通系電子マネー。
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● PASMO(パスモ)の使い方まとめ。ポイント、オートチャージ、クレジットカードを解説
PASMOがSuicaより秀でているのは、鉄道やバスなどに乗ると貯まる「乗車ポイント制度」(登録・設定は必要)、払戻手数料がかからない点、東急や小田急での「防犯メールサービス」などです。
PASMOへは、現金チャージはもちろん、一部のクレジットカードによるオートチャージもできます。
PASMO自体には、Suicaのように共通ポイントの「JRE POINT」(旧 Suicaポイントクラブ)のようなポイント制度はありません。
ただ、一部のクレジットカードなら、連携させたうえでPASMOで乗車すると、ポイントが貯まるお得なプログラムがあります。
基本的には、普段利用する鉄道会社が発行に携わっているクレジットカードを選ぶ方が多いことでしょう。
しかし、場合によっては、他社のクレジットカードを選んでみるのも、思わぬお得を享受できることもあるのも事実です。
話を変えて、PASMOオートチャージの初期設定では、残高が2,000円以下になった時に改札を通過すると、3,000円がチャージされるように設定されています。
無論、これらは1,000円単位で変更可能です。
PASMOオートチャージの1日10,000円、1ヶ月50,000円という上限があります。
オートチャージが始動するのは、PASMOエリアとSuicaエリアだけ。(Suica・PASMO利用案内マップ)
TOICAやICOCAなどの、その他エリアの改札ではオートチャージは使えません。
ちなみに「モバイルPASMO」の方は、PASMO協議会に加盟している鉄道会社以外のクレジットカードでチャージ可能で、なおかつ一部のクレカではポイントも同時に貯まります。
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● モバイルPASMOチャージでポイントが貯まるおすすめクレジットカードまとめ
次章よりPASMOオートチャージに対応したクレジットカードで、特におすすめなカードを掘り下げて紹介します。
To Me CARD Prime PASMO
To Me CARD Prime PASMOは、東京メトロが株式会社ジェーシービー、三菱UFJニコスと提携して発行しているクレジットカードです。
JCB、VISA、Mastercardの3つの国際ブランドがあります。
PASMO定期券との一体型も選択可能です。
To Me CARD Prime PASMOの年会費は、初年度無料で、2年目以降は2,200円(税抜2,000円)です。
年50万円以上の利用があると、翌年度の年会費が無料になる優遇があります。
基本ポイント還元率は0.5%で、PASMOオートチャージでも0.5%のポイントが貯まります。
年間利用金額に応じてポイントアップする制度もあります。
● 年間50万円の利用:300ポイント
● 年間100万円の利用:1,000ポイント
東京メトロ乗車でメトロポイントを獲得可能です。
平日は1乗車につき10ポイント(10円相当)、土休日は20ポイント(20円相当)貯まります。
その他、「To Me CARD Prime PASMO」の詳細については以下でまとめています。
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● Tokyo Metro To Me CARD Prime PASMOのメリット・デメリット最新まとめ!
タイミングによっては、お得な新規入会キャンペーンを実施していることもあります。
<公式サイト> To Me CARD Prime 最新キャンペーン
ソラチカ一般カード(ANA To Me CARD PASMO JCB)
「ANA To Me CARD PASMO JCB」(ソラチカカード)は、ANAカード、東京メトロのTo Me CARD、PASMO定期券が一つになった1枚3役のクレジットカードです。
国際ブランドはJCBの一種類。
入会時は定期券の記入欄が空白となっていて、利用しない場合は空白のままです。
年会費は初年度無料で、2年目以降は2,200円(税抜2,000円)となります。
ANAマイルの付与率0.5%が基本です。
5,500円(税抜5,000円)かかるものの「10マイルコース」に加入すれば、マイル付与率1.0%となります。
ソラチカカードは、JCBスターメンバーズの適用があるため、以下の年間利用金額に応じて還元率もアップします。
しかし、ソラチカカードにはスターeとロイヤルαは対象外です。
ランク | 年間利用額 | 翌年度UP率 | 上乗せ率 |
ロイヤルα | ― | ― | ― |
スターα | 100万円以上 | 20%UP | +0.06% |
スターβ | 50万円以上 | 10%UP | +0.03% |
スターe | ― | ― | ― |
マイルといえば価値にレバレッジがかかる特長があります。
マイルを特典航空券に使うと1ポイントの価値が数円にUPします。
あくまで目安ですが、国内線特典航空券なら1マイル約1.5円~2円、国際線特典航空券(ビジネスクラス)なら1マイル約2.5~5円、国際線特典航空券(ファーストクラス)だと約7~16円程度に昇華します。
ソラチカカードでのPASMOチャージと同時にマイル付与率0.5%~1.06%のANAマイルを獲得できるのが大きなメリットです。
PASMOオートチャージでのANAマイルの付与率は、原則0.5%か1%です。
また、東京メトロのTo Me CARDの機能・サービスも兼ねているため「メトロポイントPlus」も適用され、ソラチカカードのPASMOをつかって東京メトロの電車に乗れば、1乗車あたり以下のメトロポイントが得られます。
● 土休日:1乗車あたり15ポイント(15円相当)
先程の「To Me CARD Prime PASMO」と比べれば5ポイント少ないものの、それでもお得です。
「メトロポイントPlus加盟店」でPASMO決済すると「メトロポイント」が付与されます。
ちなみに、先程お伝えした「10マイルコース」に加入した状態で、セブン-イレブンにて「QUICPay(nanaco)」で支払うと、最大1.75%のANAマイルを獲得可能です。
あと、To Me Cardや東急カードのシリーズの保有者なら「渋谷ちかみちラウンジ」を使用できます。
場所は、渋谷駅の地下にあり、休憩、トイレはもちろん、小さな子供がいればおむつ替えなどが可能な設備が揃っています。
ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード
「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」は、ANAと三井住友カード、東急カードが連携して発行しているクレジットカードです。
もちろん、PASMOが搭載されており、PASMO定期券を付与することもできます。
PASMOオートチャージによる基本マイル付与率は「5マイルコース」なら0.5%、10マイルコースだと1.0%です。
「マイ・ペイすリボ」を活用すれば、リボ払い手数料の請求がある月は、ポイント(マイル付与率)が0.3%加算され、ANAのマイル付与率が1.3%にUPします。
特筆すべきは、リボ払いしたうえで「リボ払い手数料」の口座引き落としが1円でも発生すると、その月の利用代金のすべてポイント(マイル付与率+0.3%)が適用される点です。
これは他のANAカードにはない「ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード」のオリジナルの仕様。
PASMOチャージ、定期券の購入で最大マイル付与率1.3%のレートでマイルに交換できるのが長所です。
ANAカード特約店も利用でき、ANAマイルをザクザク貯められます。
この他、空港にある「ANA FESTA」や機内販売の10%OFFも地味ながらお得です。
無論、東急グループの共通ポイント「TOKYU POINT」も搭載されています。
さらに、三井住友カード株式会社も発行に携わっていることから「ココイコ!」も利用可能で、多様なお店のジャンルでお得になります。
JALカード TOKYU POINT ClubQ
JALカード TOKYU POINT ClubQは、JALカードと東急カードが提携して発行しているクレジットカードです。
年会費は「JAL普通カード」は2,200円(税抜2,000円)、「JAL CLUB-Aカード」は11,000円(税抜10,000円)、「JAL CLUB-Aゴールドカード」は17,600円(税抜16,000円)です。
普通カードとCLUB-Aカードのランクは、一般加盟店での通常利用時におけるマイル付与率は0.5%(200円につき1マイル)で、JALカード特約店では、マイル2倍の優遇により1.0%(200円につき2マイル)となります。
追加年会費4,950円(税込)かかるものの人気プログラム「JALカード ショッピングマイル・プレミアム」に加入すると、さらにマイル付与率が2倍となり、一般加盟店での利用だと1.0%、JALカード特約店なら2.0%に!
項目 | 加入時 | 未入会 |
一般加盟店 | ||
特約店 |
2017年3月31日までならPASMOオートチャージで、0.5%か1%のJALマイルを貯めれていました。
しかし、2017年4月1日以降は、ショッピングマイルプレミアムの加入の有無を問わず、200円につき1 TOKYU POINT(還元率0.5%)に改悪されました。
TOKYU POINT(東急ポイント)は、2ポイント1マイルでJALマイルと交換可能ではありますが、マイル付与率は、たった0.25%と低水準です。
PASMOチャージでJALマイルを貯めるなら、後に紹介する小田急の「JALカード OPクレジット」がおすすめです。
PASMOチャージという観点では「JALカード TOKYU POINT ClubQ」は見劣りするものの、同カード自体はJALカードの中では人気シリーズです。
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● JALカード TOKYU POINT ClubQのメリット・デメリット、普通カード/CLUB-Aカード/ゴールドカードの違いを比較!
JALカードでは、常にJALマイルを大量にプレゼント(条件あり)してもらえるお得な新規入会キャンペーンを開催しています。
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO
「TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO」は、東急カードがJALと提携して発行しているクレジットカードです。
PASMO定期券と一体型のクレカとなっています。
VISAとMastercardの2種類の国際ブランドがあります。
年会費は初年度無料で、2年目以降は1,100円(税抜1,000円)です。
一般加盟店での利用で200円ごとに2ポイント貯まります。
1ポイント1円相当で還元率1.0%です。
PASMOオートチャージと同時に200円につき2ポイント貯まります。
つまり、通常利用時と同じ還元率1%。
JR東日本のビューカードの還元率1.5%と比較すると低水準ですが、交通系ICカードへのチャージ時に付与される還元率の水準の中では良い方です。
TOKYUグループ以外の「TOKYU POINT(東急ポイント)加盟店」では、1%のプレミアムポイントに加えて、0.5%~5.0%の加盟店ポイントも付与されるのがメリット。
TOKYUグループのお店・サービスの利用では、加盟店ポイントのみが付与対象です。
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMOで東急線の定期券を購入すると購入金額(上限10万円)の1%のポイントが貯まります。
あと、東急グループの店舗でTOKYU CARD ClubQ JMB PASMOを利用すると加盟店ポイントが貯まりますので、一般加盟店よりも実質還元率がUPします。
東急グループ系列のお店を普段利用する方なら、東急カードがあればジャラジャラとポイント貯められます。
例として以下のような店舗でお得になります。
● 東急ストアネットスーパー:1.5%
● 東急プラザ、109、その他SC・モール:3.0%
● 東急百貨店、ShinQs:3.0%~10.0%
● 東急ハンズ、東急ホテルズ:1.0%
※参照:TOKYU POINT加盟店
東急ストアでは、毎月5日・15日にカードを提示するだけで5%OFFとなります。
TOKYU POINTは「TOKYU POINT(東急ポイント)加盟店」で1ポイント単位1円として現金感覚で使えます。
そして、1,000ポイント単位で1ポイント1円相当でPASMOにポイントチャージし、電車やバスの利用時につかったり、交通系電子マネーの加盟店でのお買い物に便利に使うことも可能です。
2,000 TOKYUポイントを1,000 JALマイルに移行することもできます。
交換レートは低下しますが、1マイル=2円以上の価値があるとすれば実質1対1で交換可能です。
「TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO」は、「渋谷ちかみちラウンジ」以外にも渋谷ヒカリエの「ShinQs」5階にある「スイッチ・ラウンジ」も利用できます。
TOKYU POINT ClubQカードの女性ホルダー限定で使えるラウンジで、ウォーターサーバーで水orお湯のセルフサービスがあり、その他の設備として、携帯の充電ケーブル、個室のフィッティングルーム、大きな鏡つきの化粧台、テレビなどがあります。
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMOは、PASMOの利用だけでなく、東急グループをよく利用する方なら、一押しの東急カードです。
JALカード OPクレジット
「JALカード OPクレジット」は、JALカード、小田急カード、株式会社ジェーシービーが連携して発行しているクレジットカードです。
国際ブランドはJCBです。
年会費は「JAL普通カード」は2,200円(税抜2,000円)、「JAL CLUB-Aカード」は11,000円(税抜10,000円)、「JAL CLUB-Aゴールドカード」は17,600円(税抜16,000円)です。
JALカードの機能・サービスはもちろん、電車の利用でも便利なPASMOチャージが使え、同時にJALマイルも獲得できます。
マイル2倍となる「ショッピングマイル・プレミアム」に加入者は、マイル付与率1%でPASMOチャージや定期券を購入可能です。
小田急カードとしての機能も健在で、小田急グループの鉄道、スーパーや百貨店などで利用すると小田急ポイントもお得に貯められます。
小田急ポイントは、2,000ポイント⇒1,000 JALマイルのレートで移行可能です。
「JALカード TOKYU POINT ClubQ」の方は、PASMOオートチャージで付与されるのは0.5%のTOKYU POINTにとどまり、JALマイルに移行すると0.25%になってしまいます。
したがって、PASMOオートチャージを利用時においては「JALカード OPクレジット」の方がお得度は上回ります。
マイル付与率1%でPASMOチャージできるのは「JALカード OPクレジット」だけです。
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● JALカード OPクレジットのメリット・デメリット、普通カード/CLUB-A/ゴールドカードの違いを比較!
ある意味、空も陸も、この1枚で網羅できるJALカードです。
JALカードでは、常にJALマイルを大量にプレゼント(条件あり)してもらえるお得な新規入会キャンペーンを開催しています。
まとめ
当記事では、PASMOオートチャージでポイントやマイルをお得に貯まるクレジットカードの中で特におすすめなクレカを紹介するテーマで解説してきました。
PASMO機能が付与されたカードをはじめ、定期券機能も付与可能な券種も存在します。
一枚でもカードを減らしたい派の方なら嬉しい仕様ですね。
純粋に自分が普段利用する鉄道会社のクレジットカードを作成する方が、ほとんどかと思います。
が、ただし、JALマイラーの方などPASMOオートチャージでJALマイルを獲得したい方なら、最大1%のマイル付与率を享受できる「JALカード OPクレジット」もおすすめ候補に入ります。
一方、PASMOチャージでANAマイルを貯められる、クレジットカードは以下が候補になります。
● ソラチカカード:スマリボ利用時に最大1.54%
● ソラチカゴールドカード:スマリボ利用時に最大1.56%
今回、おすすめとして紹介したクレジットカードを含め、それ以外にもPASMOチャージでポイントまたはマイルの付与対象カードは思いの外、多く存在します。
カード名 | 還元率 | PASMO |
To Me CARD Prime PASMO | 0.5%〜0.6% | 一体型 定期券 |
ANA To Me CARD PASMO JCB | 0.5%〜1.06% ※ANAマイル |
一体型 定期券 |
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO | 1.00% | 一体型 定期券 |
ANA TOKYU POINT ClubQ PASMOマスターカード | 0.5%〜1.48% ※ANAマイル |
一体型 定期券 |
JALカード TOKYU POINT ClubQ | 0.5% ※TOKYU POINT |
別カード |
OPクレジットカード | 0.50% | 別カード |
JALカード OPクレジット | 0.5%〜1% ※JALマイル |
別カード |
京王パスポートPASMOカード VISA | 0.50% | 一体型 定期券 |
京王パスポートVISAカード | 0.50% | 別カード |
京急プレミア ポイント シルバー | 0.50% | 別カード |
京急プレミア ポイント ゴールド | 0.50% | 別カード |
SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン | 0.50% | 別カード |
京成カード(オリコ) | 0.5% / 1% | 別カード |
相鉄カード | 0.50% | 別カード |
東武カード | 0.50% | 別カード |
東京スカイツリー 東武カードPASMO | 0.50% | 一体型 定期券 |
Pastownカード | 0.50% | 別カード |
パスタウンPASMOカード(VISA) | 0.50% | 一体型 |
2020年からは、モバイルPASMOがリリースされました。
ネットにつながっていれば、スマホで、いつでも好きなときにチャージできるなど、利便性がパワーアップしています。
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