JCB(ジェーシービー)は、日本国内で唯一の国際ブランドとして知られています。
JCB(株式会社ジェーシービー)は1961年に株式会社日本クレジットビューローとして設立され、その英語表記の頭文字を取って「JCB」と呼ばれるようになりました。
- 国際ブランドには「VISA」や「Mastercard」などがありますが、これらと比較して「JCB」は何が違うのか?
- JCB発行のクレジットカードでなくても、提携カードで「JCBブランド」が選べたりしますが、この違いは何なのか?
- JCBならではのメリットやデメリット
について解説します。
<公式サイト>
●
●
●
●
●
●
【もくじ】
JCBのメリット・特徴
JCBは日本国内で唯一の国際ブランド
JCBは、国際ブランドの中で唯一の日本国内ブランドです。そのためサムライカードなんて異名もありますね。
国際ブランドといえば「JCB」に加えて、「VISA」や「Mastercard」、「American Express(アメックス)」、「Diners Club(ダイナースクラブ)」で5大国際ブランドなんて言われています。
最近では「Discover(ディスカバー)」、「銀聯(UnionPay)」も加えて7大国際ブランドなんて言われることも多くなりました。
国際ブランド | 加盟店数(約) | 世界シェア (決済回数または決済額) |
本社所在地 |
VISA | 5,290万ヵ所以上 | 約50% | アメリカ |
Mastercard | 5,290万ヵ所以上 | 約26% | アメリカ |
JCB | 3,500万ヵ所以上 | 約1% | 日本 |
American Express | 2,330万ヵ所以上(予測値) | 約3% | アメリカ |
Diners Club | 3,210万ヵ所以上 | 約1%未満 | アメリカ |
Discover | 4,400万ヵ所以上 | 約1%未満 | アメリカ |
UnionPay(中国銀聯) | 5,200万ヵ所以上 | 約20% | 中国 |
※JCBは公式サイトでの2020年9月末日時点のデータ。UnionPayは公式サイトでの2020年8月時点でのデータ。それ以外は2018年度のNilson Report(ニルソンレポート)による。
JCBは日本発の国際ブランドということもあり、日本国内における加盟店数は最大級です。反面、海外では、どうしてもVISAやMasterCardと比較するとが加盟店数は見劣りしてしまいます。
日本人にお馴染みの旅行先であるハワイならJCBは、基本的にほとんどのお店で使えるのですが、それ以外の国・地域では、JCBが非対応であるケースもしばしば。
とはいえ、アメリカ発祥の国際ブランドが大多数であるなか、JCBは一つの決済ブランドとしてのインフラを担うのは世界的にみて、とても特別なことです。
また、JCBならではの魅力も多数あるので、メリットをはじめ、デメリットも含めた特徴について後に解説します。
JCBにはプロパーカードが存在
JCBは、アメックスやダイナースクラブ同様にプロパーカードが存在します。
この点、VISAとMastercardの場合、自社で発行するカード(プロパーカード)が存在せず、カード会社や銀行などの提携会社が発行しているものに限ります。
JCBも自社で発行するカード(プロパーカード)以外にも提携会社が発行するカードもあります。
つまり、JCBはプロパーカードと提携カードの両方が存在するということ。
プロパーカードは、一般的に提携カードと比較するとステータスが高いとされています。
JCBオリジナル特典が充実
JCBは、日本発祥の国際ブランドなだけあってか、日本人向けの特典が非常に充実しています。
ただし、ここで言うJCBが提供する独自特典が充実しているというのは、JCBのプロパーカードを指します。
それは、提携会社が発行するカードでは、JCBのマークが付いていてもJCBの共通特典やサービスを利用できない、もしくは一部しか対象とならないケースが多いからです。
この辺については、以下のページで解説しています。
<関連記事>
● JCBカードの共通の基本特典まとめ!海外旅行、ラウンジ、ディズニーなど各種サービスまとめ
「JCB ORIGINAL SERIES(JCBオリジナルシリーズ)」に代表されるようにJCBが自社発行するプロパーカードなら「JCBのオリジナル特典」をフル活用できるメリットがあります。
さらにJCBプレミアムカード(JCBザ・クラス、JCBプラチナ、JCBゴールド ザ・プレミア、JCBゴールド、JCBネクサス)が享受できる「GOLD Basic Service(ゴールド・ベーシック・サービス)」も見逃せません。
<関連記事>
● GOLD Basic ServiceはJCBゴールド以上が利用可能!JCBプレミアムカード共通特典まとめ
あと、JCBは海外での決済力こそVISAやMastercardには遅れをとるものの、国産ブランドだけあって、海外での日本人向けのサポートには、かなり定評があります。
特に日本人がよく行く、世界主要都市にあるJCBプラザや、JCBプラザラウンジは、見知らぬ土地では心強い存在になることでしょう。
JCBプラザでは、以下のようなサービスを受けられます。
- 案内(JCB加盟店情報、JCB優待情報、観光情報)
- JCB加盟店の予約 (ホテル、レストラン、オプショナルツアー、各種チケットなど)
- 緊急サポート(JCBカードの紛失・盗難時のサポート)
- Wi-Fi 無料利用サービス
JCBプラザラウンジの方では、JCBプラザでのサービスに加えて次のサービスも利用可能です。
- インターネット、プリントアウト無料
- 日本語新聞、雑誌の閲覧
- 現地ガイドブック、情報誌の閲覧
- フリードリンク
- マッサージ機
- レンタル傘
- お荷物の当日中一時預かり
海外でも日本語で相談を受け付けており、英語など語学に自信がない方が海外旅行に行く際は、JCBブランドのカードは頼もしい相棒になってくれたりもします。
東京ディズニーリゾート関連の特典が豊富
JCB(ジェーシービー)といえば、東京ディズニーランド(TDL)・東京ディズニーシー(TDS)のオフィシャルスポンサーであり、東京ディズニーリゾートのオフィシャルカードでもあります。
そのため東京ディズニーリゾート関連の特典・サービスが充実しています。
提供アトラクションは、東京ディズニーランドの「スター・ツアーズ: ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」、東京ディズニーシーの「ニモ&フレンズ・シーライダー」です。
ちなみに、東京ディズニーシーにあった「ストームライダー」は、2017年春に「ニモ&フレンズ・シーライダー」が導入されることに伴い、5月16日をもって終了しています。
東京ディズニーランド開業時より長きにわたって、ディズニーランド内で利用できるクレジットカードといえばJCBカードだけでした。
しかし、東京ディズニーシーのオープン前後に独占状態が終結し、VISA、Mastercard、ダイナースクラブのクレカも利用できるようになりました。アメックスは原則として国内のJCBの一般加盟店で利用できるので、もちろんディズニーでも利用可能です
ただ、利用者・店員を含めて、このことを知らない方は店頭レジなどではJCBマークのみ表示されているためかJCBブランド以外のクレカは使えないと思っている方も多いと言われます。
世界のディズニーパークの中で、JCBがオフィシャルカードになっているのは東京ディズニーリゾートだけです。
海外のディズニーパークは、The Walt Disney Companyとスポンサー契約を結んでいるVISAがオフィシャルカードとなっています。
※旧デザイン。
JCBが誇るブラックカード「JCB THE CLASS(ザ・クラス)」まで登り詰めると東京ディズニーランド・シーのJCBラウンジを利用できます。
ディズニーデザインのカードが豊富
JCBはディズニーの公式スポンサーなので、それもありJCBブランドのクレカにはミッキーマウスやミニーちゃんなどが描かれた「ディズニーデザイン」のカードも多く存在します。
これは必ずしもJCBのプロパーカードに限らず、提携カード会社も発行しているケースもあります。
先程の東京ディズニーリゾート関連の特典が充実しているという点も含め、特にディズニーファンの方には、嬉しい特典や仕様が付帯しているのがJCBのメリットともいえます。
最短即日発行OKなカードも
JCBプロパーカードである「JCB ORIGINAL SERIES(JCBオリジナルシリーズ)」の内、下記のカードは最短即日発行(最短翌日お届け)に対応しています。
- JCB一般カード
- JCB CARD W
- JCB CARD W Plus L
- JCBゴールド
まず、18歳〜39歳以下の方がオススメなのは、年会費永年無料の「JCB CARD W」です。
JCBオリジナルシリーズのカードは、ほとんどが基本ポイント還元率0.5%と平凡である中で「JCB CARD W」は還元率1%の高還元カードだから。
「JCB CARD W Plus L」も年会費無料かつ同等スペックで、更に女性向けサービスも付帯しますので、女性の方なら基本的にこちらがおすすめです。(一応、男性も申し込めます)
カード利用で貯まるOki Dokiポイントは、使い道・交換先が非常に充実していて、豪華なものも多いので、常に還元率1%以上で貯められるのは大きなアドバンテージですね。
<関連記事>
● JCB CARD Wは若年層おすすめ高還元クレジットカード!メリット・デメリット最新まとめ
● JCB CARD W plus Lは若年層おすすめ高還元クレジットカード!メリット・デメリット最新まとめ
従来からある入門カードの「JCB一般カード」は、初年度年会費無料で、2年目以降は1,250円(税抜)となっています。
ただ、2年目以降も「MyJチェック」と「年間利用額が50万円以上」の2つの条件を満たすだけで、年会費を無料にしてもらえる優遇があります。
一番スタンダードな券種なので、審査の面でいきなり上位カードを申し込むのが不安な方に一押し。
その上で、優良な利用実績を積んで切り替え申し込みをすればOKですから。
※旧デザイン。
年会費が初年度無料(Web入会限定)で、2年目以降の10,000円(税抜)の「JCBゴールド」となると、空港ラウンジサービスや、全国250店舗にもおよぶJCBが厳選したレストラン・飲食店にて、飲食代金の合計額またはコースメニュー代金より20%OFFとなる「グルメ優待サービス」など上級会員向けの「GOLD Basic Service」を享受できるようになります。
<関連記事>
● JCBゴールドカードのメリット・デメリット最新まとめ!
また、JCBゴールドがあれば、招待が届かないと入会不可能な合計年会費15,000円(税抜)の「JCBゴールド ザ・プレミア」を目指さるのも◎です。
合計年会費の意味は、年会費10,000円(税抜)に、サービス年会費として5,000円(税抜)が加わるから。ただ、この年会費は年間利用額が100万円以上なら免除され、一般のJCBゴールドと同様の年会費で保有できます。
それでいて、JCBゴールド ザ・プレミアから付帯する特典として、「プライオリティ・パス」、「JCB Lounge 京都」、「JCBプレミアムステイプラン」、「JCBゴールド ザ・プレミア専用デスク」も楽しめるようになる具合。
「JCBゴールド ザ・プレミア」のインビテーションが届く条件は以下の2点です。
- JCBゴールドの年間利用額が2年連続で100万円以上(集計期間12月16日~翌年12月15日)
- 「MyJCB」に受信可能なメールアドレスを登録
<関連記事>
● JCBゴールド ザ・プレミアはコスパ優良ゴールドカード!メリット・デメリット最新まとめ
最短即日発行(最短翌日お届け)に対応していませんが、20代の方なら「JCB GOLD EXTAGE(ゴールドエクステージ)」もオススメ。学生を除く20歳以上〜29歳以下の方が申し込み可能です。
「JCBゴールド」から利用できる「GOLD Basic Service」の内、一部利用できませんが、空港ラウンジサービス(年中、無料で使い放題)や往復の国際線手荷物無料宅配サービス(JCBトラベルで5万円以上の対象の海外ツアー申し込みが条件)、通話料無料のゴールド会員専用デスクなどは利用できます。
特筆すべきは、5年後の初回更新時に自動的にJCBゴールドにランクアップさせてもらえる点です。
それでいて、年会費は初年度無料で、2年目以降も3,000円(税抜)で保有できます。
一般の「JCBゴールド」は、直接申し込みでの通常ルートだと、決して審査難易度が低いとは言えないため、これもメリットの内に入ると考えます。
<関連記事>
● JCB GOLD EXTAGE(ゴールドエクステージ)は20代専用ゴールドカード!メリット・デメリット最新まとめ!
※旧デザイン。
「JCBプラチナ」は、最短即日発行の対象外ではあるものの、最短で3営業日、通常で1週間程度で発行できます。
年会費25,000円(税抜)と、一般的なプラチナカードの中では比較的リーズナブルでありながら、下位カードの「JCBゴールド ザ・プレミア」の特典もそのまま踏襲しつつ下記のような特典・ベネフィットを享受できます。
- 24時間365日対応の「プラチナ・コンシェルジュデスク」
- 対象レストランで1名無料の「グルメ・ベネフィット」
- 世界中の空港ラウンジを無料利用できる「プライオリティ・パス」
- USJと京都のJCB Loungeを利用可能
- 上質×人気の高いホテル・旅行にお得に宿泊できる「JCBプレミアムステイプラン」
- 海外の有名ホテルで特別な優待が受けられる「海外ラグジュアリー・ホテル・プラン」
- ブラックカード並の守備範囲の広い付帯保険
JCBプラチナは、「25歳以上(学生不可)で、本人に安定継続収入のある方」が申し込めます。
<関連記事>
● JCBプラチナカードのメリット・デメリット最新まとめ
※旧デザイン。
JCBのブラックカードであるインビテーション制の「JCB THE CLASS(ザ・クラス)」も目指せるのもメリットでしょう。
年会費50,000円(税抜)とそれ相応に高額ですが、JCBプラチナ以下のサービスをそのままに以下のようにJCB至高の優待を享受できます。
- 24時間365日対応のザ・クラス・コンシェルジュ
- 家族カードは8枚まで発行OKかつ年会費無料
- メンバーズセレクションで年1回の豪華プレゼント
- グルメ・ベネフィットで一流レストランのコース料理が1名無料
- ザ・クラス 名食倶楽部への参加権
- 東京ディズニーランド&シーのJCBラウンジ利用可能
- USJのJCBラウンジも利用オッケー
- 京都駅JCBラウンジにも入れる
- プライオリティ・パスで世界中の空港ラウンジ利用し放題
- JCBプレミアムステイプランではザ・クラス限定プランあり
- 海外ラグジュアリー・ホテル・プランでおトクな特典享受
- 最高レベルの守備範囲の広い付帯保険の数々
<関連記事>
● JCB THE CLASS(ザ・クラス)はJCBのブラックカード!メリット・デメリット最新まとめ
問い合わせ窓口の評判が良い
特にプロパーカードのJCBに言えることですが、問い合わせ窓口の対応も概ね良好である点も長所と考えます。
VISAやMastercardの場合、自社発行するカード(プロパーカード)がないため、この辺は提携カード会社によって、対応が良いか、今ひとつかの差があったりもします。
問い合わせをするときと言えば、極論、身に覚えがない請求があったり、カードの紛失・盗難など、たいてい何かしら困った時に電話するものですから、そんな時に丁寧に対応してもらえるかは、保有者の評価にも直結しますよね。
無論、イマイチな対応をされたら、それを機に解約する方もいるくらいですから。
JCBのデメリット・注意点
海外で利用できる加盟店が少ない
『JCBは日本国内で唯一の国際ブランド』の章でも話したとおり、JCBは、VISAとMastercardに比べると加盟店数が少ないので、それに比例してどうしても海外で使えない場面も出てきます。
また、JCBカードは、そもそもトラベル&エンターテイメント(通称T&E)寄りのカードなので、決済機能だけに特化したカードではありません。
それもあり世界各地で確実に利用できるという確証を得られない不安がつきまといます。
したがって、よく海外旅行や出張する方はもちろんですが、いずれにしても保有国際ブランドがJCBだけというのは、心もとない部分もあるため「VISA」か「Mastercard」ブランドのカードを持つのは必須といっても過言ではありません。
全てのJCBカードで独自特典をフル活用できるわけではない
「JCBが独自で提供する共通特典」については、JCBが自社発行するプロパーカードか、提携カードかで評価が変わってきます。
「JCB ORIGINAL SERIES(JCBオリジナルシリーズ)」に代表されるようにJCBが自社発行するプロパーカードなら「JCBのオリジナル特典」をフル活用できるメリットがあります。
JCBプレミアムカード(JCBザ・クラス、JCBプラチナ、JCBゴールド ザ・プレミア、JCBゴールド、JCBネクサス)のシリーズとなると「GOLD Basic Service(ゴールド・ベーシック・サービス)」も楽しめるようになります。
これらJCBオリジナル特典をJCBの提携カードだと一部しか利用できなかったり、対象外だったりするわけですね。
その代わり提携カードの場合は、カードを発行している会社が提供する特典を利用できるといった具合になります。
さいごに
JCBは、VISAとMastercardと比べると海外における決済力の弱さは否めませんが、日本発の国際ブランドだけあり、日本人が使いやすい特典・サービスがとても充実しています。
たとえば、特にプロパーのJCBカードに言えることですが、一般カードのランクでも、それなりにJCBオリジナル特典が充実していますから。
国内向けの特典・サービスは、もちろん充実してますが、海外でのサポートをはじめとした特典・サービスも充実しているので一概に海外ではダメというわけでもないんです。
<関連記事>
● JCBオリジナルシリーズの全種類の違いを比較!おすすめ共通特典・サービスまとめ
● GOLD Basic ServiceはJCBゴールド以上が利用可能!JCBプレミアムカード共通特典まとめ
反面、VISAとMastercardは、特にプラチナカードのランクになるとそれ相応に特典内容が豪華になっていきますが、一般カードのランクで利用できる国際ブランド独自特典はイマイチです。
<関連記事>
● VISAカードの共通特典をランク別に解説
● Mastercard(マスターカード)の6ランクをワールドエリートまで徹底解説
● マスターカードのTaste of Premiumの特典・対象のMastercardまとめ
他の国際ブランドと組み合わせて保有することでデメリットは補完できますし、やっぱりJCBには捨てがたい魅力が多数ありますからね。
<公式サイト>
●
●
●
●
●
●