“超”急速な経済発展の勢い伴ってホテル・宿泊施設の建設ラッシュが続く中国。
そんな中でも少なからず、従来の中国ならではの宿泊における一種のルールが現存している施設もあります。
このページでは、そんな中国のホテル事情について踏み込んでいきたいと思います。
【もくじ】
中国のホテルには有名レストランやバーが多数併設
ホテルレストランやバーとなればどうしても価格は割高になりがちですが、その分価格に見合った質の高い味とサービスを提供しているので地元の人たちにも人気があります。
観光や観劇の申込やチケットの代行サービスを行っていたり、ホテルに旅行会社が併設されていることも。
その場で現地のオプショナルツアーに申し込むことが可能です。
４つ★以上のホテルとなれば、スパやフィットネスクラブ、ヘアサロン、会議室、ビジネスセンター、宴会場などのあらゆる施設が併設されるのが当たり前になってきます。
３つ星ホテルでもホテル内のレストランでディナーを楽しむという方も、もちろんいると思います。
が、あえて外に繰り出し飲食店などでグルメを楽しむという方も多くいるのではないでしょうか？
ただ、４つ星以上のそれなりの格式高いホテルとなってくると、数泊するなら最低でも１回はホテル内のレストランで食事を楽しむという方がほとんどかと思います。
以下は、5つ星ホテルのインターコンチネンタル 深セン(深圳華僑城洲際大酒店)のEI Chino Restaurant(エル・チノ・レストラン：华膳中餐厅)のコースメニューになります。
滅多に行けない海外旅行だからこそ、多少奮発してでも体験しておきたいところ。かと。
外国人・男女同室NG！「渉外ホテル」とは？
中国では、最近では減ってきてはいるのものの外国人が宿泊不可なホテルや、中国ならではの保守的な価値観や考え方からくるのか未婚の男女の同室宿泊はNGというルールがあのある施設も。
逆に中国からみて日本人を含めた外国人が宿泊可能なホテルを”渉外ホテル（渉外飯店）”といったりしますが一体どんな特徴があるのでしょうか？
外国人は中国の安宿に泊まれないのはホント？
渉外ホテルと呼ぶには基準があり、サービスレベル・設備などのレベルを査定して一定基準を達していれば認定されるものとなっています。
“外国人だから安宿に泊まれない”ということではなく”ほとんどの安宿が外国人宿泊客に対して一定のサービスレベルを提供できる基準に達していないから渉外ホテルと認められていない”というのが、どちらかというと正しい見解になります。
（中国人からみて）日本人含む外国人の場合、北京や上海などの主要都市を中心にホテルの渉外規制は薄れてなくなりつつあります。
中国人専用のだった（割りと条件の良い）安宿にも宿泊できるようになってきているということ。
しかしながら、外国人旅行者にとってはホテルや宿泊施設の選択肢が増えるのは単純にありがたいことですが、
万一、面倒にならないために安くてもちょっと怪しいといったグレーなところ選ぶよりも、やはり確実に法律的に問題のない“渉外ホテル”と謳っている宿泊施設を選ぶのがベターという印象を受けます。
“男女同室宿泊の禁止”って実際は？
原則、未婚の男女の宿泊を固く禁止している外国人宿泊客の少ない三つ星以下のホテルや宿泊施設では、中国人の場合、身分証明書として結婚証明書の提示を求められるのが主流の時代もありました。
別々の部屋をとっていたとしても片方が片方の部屋を訪ねるときはドアを開けたままにしなければならないといった日本では考えられないルールのようなものが存在していましたが、今ではここまで厳しくチェックされることはめっきり減っています。
特に北京や上海といった大都市圏にある三つ星以上のホテルであれば、ほとんど心配する必要はないといっていいでしょう。
中国のホテルの種類
浙江省湖州市にある4つ星ホテルの湖州喜来登温泉度仮酒店(Sheraton Huzhou Hot Spring Resort)
外国人旅行者が宿泊できるホテルといっても、日本と同様にゲストハウスから超高級ホテルまであらゆるグレード・ランク、タイプが存在します。
今では北京や上海などの大都市でも5,000円以内で宿泊できてしまうエコノミーホテルも。
中国にはゲストハウス（宾馆）、ドミトリー（多人間、多人房）、招待所（安宿）、旅社（旅舎）から、名だたる外資系の有名ホテルグループが運営する超高級ホテルまであらゆる形態の宿泊施設があります。
その中でも日本にあるような“ホテル”が中国で“酒店”、“飯店”、“賓館”などといわれるものです。
さらに“大”の文字を付け加えて“大酒店”や“大飯店”というホテルもありますが、“大”がついたとしてもグレードが高いというわけではありません。
先述通り渉外規制の関係で少し緩くなってきてはいますが、やや選択の幅は狭くなります。
渉外ホテル（外国人OKのホテル）として認定されているホテルには、上から５つ星から星なしまで６段階に分かれていて旅の目的やスタイルに合わせて選択可能。
あくまで目安ですが日本人が快適に宿泊できるホテルは３つ星以上と言ったところかと。
もちろんランクだけで判断すると失敗することもあるので注意しましょう。
外資系の有名ホテルは一定水準の安定したサービスを提供しています。
が、国営ホテルは一見立派な外観なホテルでも、設備が古かったり、やや衛生面が行き届いていなかったりしてアタリ・ハズレの差が大きいという印象。
無理に5つ星ホテルでなくても北京や上海をはじめとする都市部で3つ星以上のホテルなら個人的には十分楽しめますが、このあたりは各人の好みになりますね。
そうはいっても、やっぱり至高の体験する意味でも4〜5つ星ホテルに一度は泊まってみていただきたいですね。
体験してみて「なんだこんなものか」と思えば無理に高い宿泊費を出して、今後泊まる必要もないです。
以下は、5つ星ホテルのインターコンチネンタル 深セン(InterContinental Shenzhen、深圳華僑城洲際大酒店)。
至れり尽くせり！
中国のエコノミーホテル”経済型酒店”は良コスパ
中国の大都市圏・主要都市各地にチェーン展開している“エコノミーホテル（経済型酒店）”は、プライベートを確保したい一人旅の人にもおすすめ。
都市圏だけでなく地方にも続々と増えており5000円以下で宿泊できてしまうお手頃価格が価格重視派の旅行者にも人気です。
エコノミーホテルの標準的な特徴は、設備などを踏まえて必要最低限の備え付けがあり、シンプルであるということ。
最低限といっても基本的にWiFiなどのネット環境やエアコン設備は整っていて、立地条件が良い点などは、日本のビジネスホテルによく似たところがあります。
ただ、風呂に関してはバスタブがなくシャワーのみというところも。
お湯に浸ってゆっくりしたい人には少し悩ましいところ。
間違い防止の為の中国語ホテル用語
- シングルルーム → 単人間（ダンレンジエン）
- ツインルーム → 双人間（シュアンレンジエン）
- ビジネスシングルルーム → 商務単人間（ジャンウーダンレンジエン）
- ビジネスツインルーム → 商務双人間（シャンウーシュアンレンジエン）
- スタンダードルーム → 標準間（ビャオジュンジエン）
- デラックスルーム → 豪華間（ハオファージエン）
- スイート（居間付き）→ 套間（タオジエン）
- プレジデントルーム → 総統套房（ゾントンタオジエン）
- フロント → 前台（チェンタイ）
- ロビー → 大堂（ダータン）
- コンシェルジェ → 礼賓部（リービンブー）
- レストラン → 餐庁（ツァンティン）
- カフェルーム → 珈琲庁（カフェティン）
- バー → 酒【口巴】（ジューバー）
- 両替所 → 兌換処（ドゥイフアンチュ）
- マッサージルーム → 按摩中心（アンモージョンシン）
- フィットネスクラブ → 健身中心（ジエンシェンジョンシン）
- プール → 游泳池（ヨウヨンチー）
- サウナ → 桑拿中心（サンナージョンシン）
- 会議室 → 会議室（フイイーシィー）
- ビジネスセンター → 商務中心（シャンウージョンシン）
料金と予約時のポイント
部屋単位の料金システムが基本
ゲストハウス・ホステル・ドミトリーなどを除き、料金は部屋単位が基本。
たとえば、ツインルームに一人でも二人でも料金はたいてい同じです。
客室料金とは別に、ホテルによって多少違いますが10～15％程度のサービス料が加算されます。
サービス料が必要なホテルでは併設されているレストランやバー、そのた諸施設でも加算されることがほとんどなので料金に注意。
中国はとても広大な国です。
省や地域のホテルによっては、政府税や都市建設税などの税金が付加されることもありますので覚えておきましょう。
値下交渉といえばショッピングをイメージすることが多いですが、宿泊施設によっては現地で直接宿泊の手続きをする場合なら、フロントなどに表示されている料金よりも交渉次第では安くしてくれるところも。
４つ星・５つ星など少し格式高いホテルは厳しいかもしれませんが、３つ星以下のホテルや宿泊施設では意外に応じてくれることもあります。
機会があり言葉に自信があれば試してみては。
料金はシーズンによって倍近く変わることも！？
どの国であっても宿泊費を含んだ旅行費用全般が安くなるオフシーズンというものがあります。
が、その中でも中国のホテル料金はオンシーズンとオフシーズンの差が非常に大きい印象を受けます。
中国は”大陸”といわれるように非常に広大な国土なので、一概にいえない部分もありますが、標準的にいえば
- 11月から3月がオフシーズン
- ４月から10月がオンシーズン
といった感じになります。
たとえば、10月1日の大型連休である国慶節は、中国各地におけるベストシーズンなので料金はかなり跳ね上がり価格重視派の人にはおすすめできない季節です。
ただ、例外として、海南省などのような冬季のマリンリゾートとして有名なところでは、ほとんど真逆ともいえる3月から9月がオフシーズンにあたり、10月から2月がオンシーズンになります。
チップは不要
チップに関しては、中国では不要です。
あらかじめサービス料に含まれているから。
しかし、気持ちとして渡したいと思ったときは、10元〜20元程度渡すといいでしょう。
中国ではネット予約が主流
言葉に自信があれば日本で予約するときと同様に直接ホテルに電話しての予約も可能です。
現地語に自信がなければ（特に外資系であれば）英語でも通じることもあるので、氏名・人数・日時・部屋タイプ・連絡先・メールアドレスを伝えましょう。
FAXの場合は正確にこれらを記載するようにしましょう。
ただ、純粋におすすめなのが、ホテル・宿泊施設の”日本語対応の”予約サイトを使うこと。
誤解や間違えを防げますし、予約サイトのキャンペーンなどでランクの高いホテルでも破格で予約できることもあります。
チェックインとチェックアウトの注意点
日本発行クレジットカードが使えない？
海外旅行に必須ともいえるクレジットカード。
中国のホテル・宿泊施設では、日本発行のクレジットカードが使えないケースも稀にある模様。
もちろん、利用限度額に到達していないのにです。
そう考えると、クレジットカードを最低でも2枚は携行したいところ。
万が一、非対応だった場合で現金払いにする場合はデポジットが必要に。
デポジット額は、宿泊の予定日数のプラス1日分など宿泊施設によって様々です。
更にチェックインの際に”人民元”で支払わなければならないことも多いので、人民元を事前準備する必要もあります。
あと、デポジットを支払った際は必ず”預かり書”を受け取りましょう。
しかしながら、面倒なので、このようなケースのホテルはなるべく避けたいところですね。
ということで、中国に限らずですが、外国に行くなら最低2枚のクレジットカードは必須級といっても過言ではありません。
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中国のホテルではデポジット不要の動きあり？
しかし最近、中国では返金トラブルが相次ぎ、消費拡大の障害にもなっていることから、デポジット制度廃止の動きが広がっています。
理屈ではデポジットはチェックアウトの際に返金されるのだから何も問題はないはずですが、実際には多くのトラブルが発生しているのもまた事実。
例えば、
ホテルなら、身に覚えがない
「備品の破損・汚損」
「備品自体がなくなっている」
などといったことが発生し、デポジットから請求するかどうかといったことでトラブルになるケースが挙げられます。
宿泊料は、ネット予約時での先払いが一般的になりつつありますが、それでもデポジットを取る習慣がまだまだ残っています。
宿泊客からすれば、余分に現金を持っている必要があり、その分、現地旅先での消費が減ることにも繋がります。
もっともこれは中国に限ったことではありませんが、旅行客からすれば、すんなり返してくれればいいのですが、こちらに否がなくても何かしら揉めたらややこしいこと極まりありません。
シンプルに廃止していってくれれば嬉しい限りなんですがね・・・。
チェックイン・チェックアウトについて
日本と同様でホテルやプランによって変わりますが、チェックインは14時以降で、チェックアウトは12時までというケースがほとんどです。
到着予定時間よりも大幅に遅れそうな場合は、必ずホテルに連絡を入れましょう。
チェックインは深夜でも可能ですが、遅くなるということがわかった時点で前もって連絡するのが無難。
というのも滅多にないと思いますが、キャンセル扱いとされ、しかもクレカ払いの場合は、全額負担になるケースもあるので注意しましょう。
また、外国人の場合はフロントにてパスポートの提示が義務付けられています。
宿泊施設によっては予約確認表の提示や、チェックインカードの記入を求められることも。
フロントにてチェックインの手続きが終われば客室の鍵かカードキーを受け取ります。
カードキーや部屋カギは、外出していて夜遅くに帰ってきた時などに提示を求められることもあるので、失くさないように。
チェックアウトは午前中までが一般的
先述通り、チェックアウトは一般的に午前中までというホテルがほとんど。
オンライン予約でカード払いしていたり、先程のデポジット込みの現金払いによる先払いを除き基本はチェックアウト時に支払います。
清算書の内容を間違いがないかしっかりチェックして支払いましょう。
もちろん、先程お話したチェックインの際ににデポジットを支払っていた場合は”預かり書”を忘れず提示して余りを返金してもらうか差額を払います。
また、日本と同じように中国のホテルでもチェックアウトした後も、無料で荷物を預かってくるところもあります。
飛行機の出発までの時間に十分ゆとりがあればフロントに預けておくこともでき、残りの時間を身軽で有効に使うことができるので、こういった場合はお願いするといいでしょう。
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