海外でレンタカーを利用する上で、必ずついて回る保険と補償についてお伝えします。
何となく一度、海外でレンタカーの旅を体験してみたいと思っている人も多いと思いますが、中々踏み切れない理由の1つとして、
この保険のことがよくわからず海外レンタカー利用に踏み切れない人も実際、多いと思います。
レンタカー契約では「契約者=運転者」が責任を有するという決まりがあります。
契約期間中のレンタカーの事故、破損、盗難などは契約者に責任があるので、万一の修理代や賠償金などの負担をゼロにした、減額するためにあるのがレンタカー会社の保険・補償です。
このように非常に重要なものですが、ひとことに海外レンタカー保険といっても、まずあなたがレンタルした車両に適応されるもの、
相手の車両や物に適用されるもの、あなたがケガをした場合のもの、相手がケガをした場合のものなどがあります。
あと、海外レンタカーの利用経験のある人でも保険や補償の内容について理解していないまま何となく加入しているひとも多いと思いのではないでしょうか。
というか私自身が、フルプロテクション保険(レンタカー会社や海外レンタカー予約サイトによっては呼び方が違ったりすることもあります)に入っていて、
「フル」という言葉が付くことから、「オールマイティな保険でどんな事故にも対応できるんでしょ?(いろいろ調べるのが面倒)」
と思ってましたが、
帰国後改めてじっくり調べてみると、実はあくまでレンタカー自体の事故などによる破損、キズなどに対してのみの修理費のフル補償ということであって、対人・対物は対象外
であることがわかりました。
そのため、まずはあなた(私も含め)が予約しようとしているプラン、および予約した保険を確認し、どれがどんな場合に適用されるのかを知りましょう。
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【もくじ】
【対レンタカー】フルプロテクション+【対人・対物】追加自動車損害賠償保険への加入がオススメ
各レンタカー会社、および海外レンタカー予約サイトによって独自の保険プランが用意されていたりして、保険名称が違ったりもしますがレンタカー各社で用意される一般的な保険として下表のようなものがあります。
保険名称 | 強制/任意 | 重要度 | 補償対象・備考 |
自動車損害賠償保険(LP) | 強制 | ★ | 対人・対物(2018年から一部アメリカの州を除き終了) |
追加自動車損害賠償保険 | 任意 ※事実上必須 |
★★★ | LPに更に対人・対物に対する補償額を引き上げる。ただ、上述通り、LPは2018年に終了したので任意保険でも事実上必須。 |
自車損害補償制度 (LDW/CDW) |
【LDW】強制 【CDW】任意 |
★★★ | レンタルした車両。 ただし一部対象外項目(パーツなど)があり不十分なケースもよくあるので当ページ説明欄必読。 フルプロテクション保険に入るなら基本的に「対人・対物の保険」を除き対レンタカーに対する破損・キズなど全項目(パーツ部品など)対象で「免責なし(ゼロ円で支払不要)」に。 |
搭乗者傷害保険(PAI) | 任意 | ★ | 運転中の事故でケガや死亡した際に補償される保険。運転手含め同乗者全員に適用される。ただし海外旅行保険でカバー可能。 |
所持品盗難保険(PEC) | 任意 | ★ | レンタカー駐車中に荷物の盗難にあった際の補償。海外旅行保険でカバー可。 |
上記PAIとPECがセットになったPPP (あらかじめセットとなったPPPが一般的) |
任意 | ★ | PPPとはPersonal Protection Packageの略。これも海外旅行保険でカバー可。 |
自車両補償制度の追加補償(ERP) (CDWの「免責あり」をカバー) |
任意 | ★★★ | 自車両損害補償「CDW」においては「免責あり」のケースが主流の為、それを「免責なし(ゼロ円で支払不要)」にする「追加補償」。免責ありで万一事故などでレンタカーを破損させたりすると、国によって開きがあるもののオーストラリアだと例えば免責額4,400豪ドルで日本円約365,000円という高額な費用を請求されたりします。もちろんフルプロテクションに加入するなら基本不要。 |
盗難保険(TP) | 任意 | ★★ | 自車損害補償制度のCDW表記はTP(Thief Protection)が込になっていないことが多いので、加入を検討してもOK。 |
窓ガラス補償 (Windscreen Protection) |
任意 | ★★ | フロントガラスやリアガラスなどが割れたりヒビが入った場合における保険。自車損害補償制度(LDW/CDW)には含まれないことが多いので、フルプロテクションに入らない場合は、検討してみても良い。 |
緊急医療保険(ESP) | 任意 | ★ | レンタカー運転中などにおいて事故以外でかかった病気に対する医療品を補償。海外旅行保険でカバー可。 |
※上記はあくまで一般的な傾向の要点のみです。詳しくは当ページの各保険項目をご覧ください。
ただ、結論からいうと各種保険について、「これ要らない、これは要る」としていたら、海外の保険だけあり、結構、内容の確認に時間を要したりしますし、ウッカリ抜けていたなんてことになりかねません。
よくあるのが「
免責の有り無し」といったことや「補償対象外は何か?」といったことなど、勘違いでせっかく入った保険も適用とならないこともあります。
その点、たとえば
フルプロテクションだと「免責なし」なので、万一の事故でレンタカーを破損させたり、傷つけても、返却時にサイン1つでOKだったりします。
(もちろん署名は免責額が0USドルになっていることを確認の上サインしましょう)
これが「免責あり」だとすると修理費を支払う義務が発生した場合、その場で規定上いろんな確認や書類に記入といった作業で貴重な時間をとられ帰りのお土産を買う時間もなくなるといったことになりかねません。
さらに、帰国後もレンタカー会社や保険会社とのやりとりも生じます。
このようなことを考えれば早い話、
【対人・対物】追加自動車損害賠償保険への加入がオススメ
の2つに加入するのがオススメ。
これならほぼ、海外レンタカー利用時における、もしもの時も、高額な免責額や、対人・対物に対して莫大な補償を請求されても、あらゆる状況についてカバーできます。
ただ重要な追加自動車損害賠償保険をはじめ、一般的にどんな保険があるのか気になると思いますので、1つ1つお伝えしますね。
対人保険、および相手の車や物損への対物保険
自動車損害賠償保険(LP/Liability Protection)
結論から言うと、この強制保険の自動車損害賠償保険(LP/Liability Protection)は、
2018年からハワイを含むアメリカ本土(ただし、ニューヨーク、マサチューセッツ、ミシガン、メリーランド、サウスカロライナ、バージニア、ウエストバージニア州を除く)では取り扱いがなくなってしまいました。
その為、次に紹介する
「追加自動車損害賠償保険(SLI/LIS)」に加入しなければ、
対人・対物保険に未加入ということになり、万一の際は、最悪の場合、多額の借金を背負いかねないことになるので追加自動車損害賠償保険(SLI/LIS)への加入は事実上必須
です。
ただ、この自動車損害賠償保険(LP/Liability Protection)がどういう保険だったのかということをお伝えしておきますね。
この保険は日本でいう自賠責保険(強制保険)で、レンタカー契約と同時に自動で付く保険となっており、あらかじめ基本料金に含まれていることがほとんどです。
(一部レンタカー会社では含んでいないこともあります)
LPと呼ばれる以外にも、地域やレンタカー会社によってBasic Coverage 、Bacic Protectionなどとも呼ぶことあります。
対人・対物保険なので、万一の事故により相手にケガをさせたり、相手の車や物などを破損させたりした場合に適用されます。
その為、逆に言えばこの保険単体だと、あなた(ドライバー)のケガや車両が破損した場合などは補償適用外です。
たとえばアメリカの「州が定める最低保証限度額」についてですが、
【2】1事故につき上限4万米ドル
【3】対物1万米ドル
です。
【1】の対人の例なら1ドル110円として日本円換算すると220万円となります。
日本の対人限度額が3,000万円ということと比べれば、海外レンタカーの場合はこのLPだけではいかに不十分かということがわかると思います。
2018年からは、アメリカ本土の一部地域を除いてこのLPはなくなってしまったということですが、いずれにしても次に紹介する「追加自動車損害賠償保険」の加入が必須ということはお分かりいただけたと思います。
追加自動車損害賠償保険(SLI、LIS、EP、ALI)
追加自動車損害賠償保険は、任意保険ですが先述通り加入必須級の保険です。
追加自動車損害賠償保険は日本の任意保険に相当する保険で、いわば先程の不十分な自動車損害賠償保険(LP)の補償額を引き上げる保険です。
ハワイを含むアメリカの場合なら1事故あたりの補償限度額は、対人・対物合計で上限100万米ドルです。
1米ドルを110円で日本円換算すれば約1億円。
ヨーロッパのように「無制限」となればいいのですが、とにかく加入必須の保険であることは間違いありません。
任意保険なので、現地のレンタカー会社で加入することが可能です。
「RentingCarz(レンティングカーズ)」では、対人・対物の保険が用意されている海外レンタカー予約サイトならオンライン予約時点でも保険に加入できます。
州およびレンタカー会社によって補償額や加入料金は異なりますが、1日あたり11米ドル〜(税抜)が相場です。日本円だと1日約1,200円~(税抜)となります。
いろいろ日本と事情が違うハワイやアメリカ本土において対人、対物にたいして事故を起こした場合、訴訟によって莫大な補償を請求されることは珍しくありません。
先程の自動車損害賠償保険(LP)だけでは到底まかないきれません。
とはいっても自動車損害賠償保険(LP)は基本2018年で終了した保険なので、追加自動車損害賠償保険はいずれにしても必須です。
ちなみにこの追加自動車損害賠償保険の呼び方は、レンタカー会社ごとに様々な呼び方をします。
混同しないように主要なレンタカー会社における追加自動車損害賠償保険の呼び方をまとめました。
【エイビス】ALI(Additional Liability Insurance)
【バジェット】SLI(Supplemental Liability Insurance)
【ダラー】SLI(Supplemental Liability Insurance)
【アラモ】EP(Extended Protection)
【ナショナル】SLI(Supplemental Liability Insurance)
【スリフティ】SLI(Supplemental Liability Insurance)
【エンタープライズ】SLP(Supplemental Liability Protection)
【対レンタカーの損害補償】自車両損害補償について「LDWとCDWの違いとは?」
自車損害補償制度(LDW/Loss Damage Waiver)
自車損害補償制度(LDW/Loss Damage Waiver)とは、レンタカー契約期間中にレンタカーを破損させたり大きくキズをつけてしまった場合など、保険未加入なら契約者が修理にかかる必要な費用を全て負担する義務を負いますが、
自車損害補償制度(LDW)に加入すれば、修理費の負担がゼロ円になったり減額されたりします。
LDWは、ハワイを含みアメリカで主流の自車損害補償制度。
(ちなみに後に紹介するCDWはヨーロッパ諸国で主流)
レンタカーの破損や盗難などによる損害を利用するレンタカー会社が契約者に代わって補償してくれるというものです。
国 | 車両損害免除制度の一般的な呼び方 | 保険内容の基本傾向 |
アメリカ本土・ハワイなど | LDW (COLLISION DAMAGE WAIVER) |
事故+盗難 |
ヨーロッパ・カナダ | CDW (LOSS DAMAGE WAIVER) |
事故のみ |
LDWだとつまり、Loss Damage Waiverつまり Lossという言葉が付くため、LDWならどのレンタカー会社でもレンタカーの盗難にあった際でも補償されます。
(反面、ヨーロッパ諸国やカナダで主流のCDWに対しては、レンタカー会社によりますが盗難保険(TP/Theft Protection)は対象外であるケースもあります)
もちろん、先述通り破損やキズなども補償されますが、その実例をお伝えすれば、
- フェンスや道路の縁石などでレンタカーのバンパーなどを擦ってしまいキズをつけてしまった
- 駐車場に車を停めていたらヘコんでいた
場合などにおいて、自車損害補償制度に未加入だともちろん契約者がその損害額を負担しなければなりませんが、1日につき相場として20〜25米ドル程で自車損害補償制度に加入することにより損害額の負担を免除できます。
しかし、以下のようにLDWにも補償対象外となるケースがあります。
- タイヤ、ホイール
- 窓ガラス(フロントガラスなど)
- ドアミラー
- 内装品や外装品の盗難
- 車両の下部分
- 鍵の紛失、破損
- ガソリン入れ間違い
- 車検証の紛失
- ドライバーが契約違反をした場合(交通法違反、飲酒やドラッグでの運転、その他法律違反など)
- 契約者の過失(窓を開けたままにしていたり鍵をつけたままにするなど)
- 天災
これを見ると特にタイヤ・ホイール、窓ガラスといったパーツ部品が対象外なのが割と痛いですね。
たとえば、窓ガラスだどドライバーが気をつけていたとしても、飛び石でヒビが入ってしまうことも稀にあります。
(特に道路の舗装がちゃんとなされてない国・地域は注意が必要です。)
私がハワイでレンタルした時の体験談としてフロントガラスに飛び石で少しばかり目立つヒビがはいってしまい、その時はフルプロテクションに入っていたものの初めてのこともありかなり不安になりました。
ただ、その時は「返却時に何かツッコミが入るだろうな・・・」と思っていたのですが、何も言われずそのまま返却できました^^;
つまり、キズの有無などのチェックシートの金額欄がUS0.00ドルとなっており、何の請求もなかったのでそのままサイン(署名)して終了です。
これは返却時のスタッフの裁量もあるのかもしれませんが、いずれにしても先程の対象外リストに挙げた、
自車損害補償制度(CDW/Collision Damage Waiver)
次も自車損害補償制度についてお伝えしますが、今度はヨーロッパ諸国やカナダで主流のCDW(Collision Damage Waiver)についてお伝えします。
Collisionという言葉が付くようにレンタカーの「衝突」などにおける破損時に契約者の支払義務を免除するというものです。
もちろん、CDWも先程のLDW同様に契約違反といった契約者の過失、および天災による破損・故障などは補償対象外。
あと、先程のアメリカで主流のLDWと違い、CDWには基本的に盗難保険(TP/Theft Protection)はつきません。その為、盗難保険に入りたい場合は別途オプションで入ることになります。
ただ、自車損害補償制度においてCDWを採用していたとしても、レンタカー会社や、海外レンタカー予約サービスサイトによっては、盗難保険(TP)がセットになっていたり、プラン料金に組み込まれているケースもありますので、盗難保険に加入するか検討する前にプランに付く保険内容を確かめてみましょう。
免責あり(with deductible)
免責なし(without dedectible)
のものがあるのでご注意ください。
免責あり(with deductible)の場合なら、万一の事故で修理費が必要になった際は、レンタカー会社各社で決めている免責額を契約者が支払わなければならないことになります。
もちろん車種やプランによりますが、相場の目安として
- アメリカなら500米ドル程度
- オーストラリアなら4,000豪ドル程度
- ヨーロッパ諸国なら大型車ともなると2,000ユーロ程度
となっています。
なので、自車損害補償制度においてCDWが採用されている場合は、免責有り・無しをしっかり確かめ、免責ありなら、免責額がいくらなのかを必ず確認しましょう。
ちなみに免責ありの場合は、何度か名前が出てきた盗難保険(TP)や、後に紹介するCDWの「免責あり」をカバーできる追加補償の車両補償制度(Excess Reduciton Package)に加入したり、
レンタカーの窓ガラス(フロントガラスなど)を補償する「Windscreen Protection」といった自車損害補償制度(LDWおよびCDW)において補償対象外のレンタカーのパーツ部品に対する保険など、免責なし(万一の際も負担0円)にしたり免責を減額できたりする保険もありますので、自車損害補償制度(CDW)が免責ありなら加入をオススメします。
もちろん、ちょっと割高になっても「免責ゼロ」にできる保険プランがベターです。
ただ、冒頭の方でお伝えしたように1つ1つの保険プランをチェックして入るのは、海外の保険ということもあり正直、結構骨が折れるので早い話、
のセットが、ほんとうの意味であらゆる状況においてカバーできる保険の組み合わせなのでオススメです。
自分は海外でレンタカーを利用する時は、今のところ一度もお世話になったことはないですが(無いほうがいいに決まっているが)、初海外レンタカー利用時を除き、ずっとこの組み合わせでいってます^^;
搭乗者傷害保険(PAI/Personal Accident Insurance)
まず、この搭乗者傷害保険(PAI/Personal Accident Insurance)は、次に紹介する所持品盗難保険(PEC/Personal Effects Coverge)とセットになっているのが一般的で、搭乗者傷害保険と所持品盗難保険を合わせてPPP(Personal Protection Package)とレンタカー会社により呼ばれることもあります。
搭乗者傷害保険(PAI)ですが、この保険はレンタカーの運転中に発生した事故において、ドライバー(契約者)や同乗者のケガによる医療費、および救急車費用、そして死亡事故の際に補償される保険です。
ただ先に言うと、これは海外旅行保険に入ってればカバーできることなので加入優先度という意味ではさほど重要ではありません。
そして、この搭乗者傷害保険(PAI)はドライバーを含む事故時に乗車していた全員に適用されます。
同乗者全員が対象ではあるものの契約者(ドライバー)の補償額と同乗者の補償額が一般的に異なりますので注意が必要。
たとえば、ハワイでレンタカーを利用した際に契約者(ドライバー)が死亡した場合は、レンタカー会社により開きがあるものの補償限度額が100,000から175,000米ドル程度、支払われますが、同乗者の場合は補償限度額10,000から17,500米ドルとなっています。
複数名の死亡事故では、1事故の補償上限額が225,000米ドルと規定されています。
もちろん当然ですが、
- シートベルト未装着
- 小さなお子様とのファミリー旅行などにおいて、アメリカなど契約国が指定しているチャイルドシートをしていないなどの法律違反
- その他、契約期間を超えた場合や、契約書記載事項に違反した場合
は無効となります。
この項目のはじめにお伝えしたように一般的に搭乗者傷害保険(PAI)と、次に紹介する所持品盗難保険(PEC)はセットになっているケースが多く、レンタカー会社によってはPPP(Personal Protection Package)と呼び、最初から1つの保険になっているケースもあります。
保険料はレンタカー会社により異なりますが、上記2つの保険がセットで1日あたり6米ドル〜(税抜)程度となっています。
所持品盗難保険(PEC/Personal Effects Coverge)
所持品盗難保険(PEC)は、レンタカー利用中に車内に置いていた所持品、荷物が盗難に遭ったり、破損してしまったという損害に対して補償される保険です。
たとえば駐車中にトランクを壊されて中の所持品や荷物の盗難にあった場合などに補償限度額を上限として一部補償してもらえます。
海外では所持品盗難保険をPEC (Personal Effects Coverage)と呼ぶことが多ですがレンタカー会社によって名称が違うこともあります。
補償対象はドライバー(契約者)と家族ですが、家族については第2親等までの同居家族に限ります。
もちろん、警察に盗難届を出していない場合も補償対象外となってしまいますので、万一盗難に遭ってしまった場合は、必ずポリスレポートを作成してもらいましょう。
注意すべき点は、
先程、「補償限度額を上限として一部補償」という文言があったと思いますが、その文言通り必ずしも全額補償してもらえるわけではありません。
たとえば、ハワイなら1レンタルあたりの補償限度額は1,800米ドルですが、1名につき上限600米ドルまでとなっています。
そして、補償対象者についても、先程、ドライバー(契約者)と家族ということでお伝えしていましたが、特に家族というのは、一緒に旅行しているドライバー(契約者)の同居している肉親のみということになります。
その為、同乗していてもドライバー(契約者)の友人や知人、旅仲間、出張時などの会社の同僚などの所持品の盗難は保険対象外です。
また、所持品といっても現金、小切手、有価証券、貴金属、書類、コンタクトレンズ、義歯、生鮮品や動物などは補償適用外となります。
その他、全保険に共通することですが、契約者(ドライバー)の過失による、窓の閉め忘れや鍵のかけ忘れなどは当然無効となります。
搭乗者傷害保険(PAI)は現地レンタカー会社で加入できますが、先述通り日本から海外旅行保険に入っている人や、クレジットカードに付帯している海外旅行保険でカバーできるケースもありますので確認の上、不要だとわかれば無理に加入する必要はありません。
ただ、海外旅行保険に所持品盗難保険(携行品保険)があっても、補償対象者(自分だけか家族も対象なのかなど)、補償限度額を把握した上で検討してください。
保険料については、1つ前の搭乗者傷害保険(PAI)の項目でもお伝えしましたが、搭乗者傷害保険(PAI)と所持品盗難保険(PEC)は、あらかじめセットになっているケースが多く、レンタカー会社によってはPPP(Personal Protection Package)と呼び、最初から1つの保険になっているケースもあります。
保険料はレンタカー会社により異なりますが、上記2つの保険がセットで1日あたり6米ドル〜(税抜)程度。
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その他の任意保険ついて
自車両補償制度(CDW)の追加補償(ERP/Excess Reduciton Package)でCDWの「免責あり」をカバー可能
対レンタカーの損害を補償する自車両損害補償には「LDW」と「CDW」があると何度か言いましたが、その内の後者の「CDW」においては「免責あり」のケースが主流となっています。
つまり、「CDW」に加入しても「免責あり」なら、万一の事故で車両をキズつけたりした場合、その修理費を各レンタカー会社の定めた免責額を契約者がその費用を負担する義務が発生します。
実際の免責額は国や地域により違いますが、たとえば、アメリカなら500米ドル(1ドル110円で約55,000円)、
ヨーロッパなら2,000ユーロ(1ユーロ127円として254,000円)といったケースもあり、
いずれにしても超高額なので「免責なし(つまりゼロ円で支払いなし)」または「減額」する追加補償が必要になってきます。
ほんの数日間のレンタルだし、安全運転してれば不要と考える人もいるかもしれませんが、日本と違い国や地域によっては道路整備、インフラが整っていないところもありますし、道の狭いところもあります。
そして、自分が安全運転していても問題はその相手です。
すなわち、これは日本でも言えることですが、質が悪いのが自分が安全運転していてもぶつけられることもありますし、駐車場に車を停めていて当て逃げされるリスクもあります。
しかも、あなたにキズつけたという見に覚えがなく、過失がなくてもCDW「免責あり」の加入状態だと、そのレンタカー会社が設定していた免責額を支払わされたという実例もあります。
その一方で、CDWの「免責あり」をカバーする車両補償制度(Excess Reduciton Package)、つまり「免責なし」の追加補償に加入することで、万一の際も支払額ゼロとなり支払いが不要なのはもちろん、何よりサインひとつですみ手続きが非常に楽です。
これがCDWの「免責あり」で修理費を支払う義務が発生した場合、その場で規定上いろんな確認や書類に記入といった作業で貴重な時間をとられ帰りのお土産を買う時間もなくなるといったことになりかねません。
さらに、帰国後もレンタカー会社や保険会社とのやりとりも生じますからね。
こういったケースも実際にあるので、CDWで「免責あり」の場合は、追加で「免責なし(つまりゼロ円で支払いなし)」の追加補償が必要となるわけ。
減額の追加補償も結局、万一の際にいろんな作業が生じ、時間を取られるので、やはり「免責なし(ゼロ円で支払いなし)」の追加補償がオススメです。
そうすると万一の際も理不尽な思いや面倒な思いもしなくて済みます。
レンタカー返却時の基本的な流れとして日本国内でレンタルしたときのようにレンタカー会社のスタッフと一緒にキズや破損などのチェックを行うはずなのですが、
私がハワイで返却したときは、一度だけなぜか借りる前も含めスタッフと特にチェックすることはありませんでした。
ただ、はじめて海外レンタカーを利用しようとする人は、基本的にチェックすると思ってくださいね。そして、通常は返却時にはキズや破損の有・無のチェックシートに確認のサインを求められます。
もちろん、請求がない場合は金額欄に0(ゼロ)の記載がされます。
一方、万一、キズや破損があると指摘された場合は、必ずその場であなたが加入している車輌保険の補償範囲、請求の有無をしっかり確認してからサイン(署名)してください。
確認しないままサインしてしまうと、万一、あとで異議申し立てをしたくても、規約上できなくなるので注意してください。
盗難保険(TP /Theft Protection)
盗難保険(TP /Theft Protection)とは、レンタカーの車両、鍵、車の装備品・パーツ、車検証などが盗難にあった場合の保険ですあるいは盗難の試みによって車がダメージを受けた場合も、その損害をカバーできます。
盗難保険(TP)は、別途加入が必要な場合もありますが、自車両損害補償制度の内、ハワイを含むアメリカで主流のLDWがプランに含まれているケースなら、盗難保険(TP)も適用対象範囲になっているので個別に加入する必要ありませんが、
レンタカープランにヨーロッパやカナダで主流のCDWと表記されている場合は、盗難保険(TP)は含まないケースもあるので、その場合は保険加入を検討してもいいでしょう。
ただ、最近ではCDWでもレンタカー会社や、オンライン海外レンタカー比較予約サービスサイトにおいて、サービスの一環として盗難保険(TP)をプランに含んでいるケースも見られるようになったので、プラン詳細を見て含まれていれば盗難保険(TP)にオプションとして加入する必要はなくなります。
注意点ですが、盗難保険(TP)の適用対象として車の装備品・パーツということでお伝えしていましたがカーナビ・GPSなどは対象外です。
また、車内に置いていた所持品・荷物の盗難も対象外です。これは先程の所持品盗難保険(PEC)で適用させることができます。
もちろん、車を離れる時にロックのかけ忘れ、窓の閉め忘れといった契約者の過失がある場合は無効です。
窓ガラス(フロントガラスなど)に対する保険(Windscreen Protection)
Windscreen Protection(もしくはWindshield Protection)とは、フロントガラスをはじめリアガラスなど、窓ガラスが割れたりヒビが入った場合の修理費を補償するという任意保険。
ちなみにこの保険は、自車両損害補償の項目でもお伝えしたようにLDW表記でもCDW表記においても、車のパーツの中でもダメージの付きやすい窓ガラスなので、フルプロテクションに加入しない限りは不安ならWindscreen Protectionへの加入を検討してもいいことになります。
ちなみに、国や地域によっては日本のように道路整備されていない場所もあるので、ちょっとした飛び石でヒビが入ることもありますし、冬の時期や氷点下マイナスの国・地域に行く場合は小さな飛び石などがぶつかっただけでも、ヒビなどのダメージが大きくなることもあります。
そんなときもこのWindscreen Protectionに加入してれば、保険プランによっては交換費用が全額カバーになったりします。
緊急医療保険(ESP/Emergency Sickness Protection)
緊急医療保険(ESP/Emergency Sickness Protection)とは、レンタカーの運転中に契約者(ドライバー)が事故以外でかかった病気になるなどして治療を受けた際の、その医療費(救急車費用や検査費を含む)を補償するというものです。
1日につき5米ドル程度で加入でき、補償限度額10,000米ドル、免責額100米ドル程度となっています。
ただ、適用されない病気・疾患など条件がかなり細かく設定されているので、保険内容をちゃんと確認する必要があります。
とはいっても、これについては海外にいくなら、海外旅行保険に入っている場合や、クレジットカード付帯されている海外旅行保険でカバーされるなら不要です。
もちろん、補償対象者や補償限度額などは確認する必要はありますが、上記2つなら、そもそも日本語でしっかり確認できますし、
わからなければ気軽に保険会社に問い合わせて聞くことができるので、そういった意味では、緊急医療保険(ESP)の重要度はさほど高くなく、
日本から保険会社で直接、海外旅行保険に加入したり、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険で「疾病治療費用」も対象となっており、補償限度額など問題なさそうであれば緊急医療保険(ESP)は不要です。
※クレカの付帯保険には「自動付帯」と「利用付帯」があり、
前者なら海外旅行時に持っていくだけで自動的に保険内容が適用となりますが、
後者の利用付帯は、旅行のツアーやプランにおける支払い時などに、該当するクレカで決済しないと保険内容が適用とならないのでご注意ください。
詳しくは各カード会社でご確認ください。
さいごに
海外におけるレンタカーによる旅はめったにできない体験だからこそ、少しお金がかかったとしても、もしもの時の高額・莫大な請求費用や手間などを考えると、
【対人・対物】追加自動車損害賠償保険への加入がオススメ
の組み合わせが盤石の体制でオススメということになります。
もちろん、安全運転の上、もしものことは無いに越したことはありませんが、万一、発生してしまった時にありがたみを思い知るのがこれら保険です。
鉄壁のディフェンスを築いた上で、のびのびと海外でのドライブを思う存分楽しんでくださいね。
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